顧問社労士と契約をする意味やそのメリット、タイミングについて解説します | エンライ社会保険労務士事務所
顧問社労士と契約をする意味やそのメリット、タイミングについて解説します

顧問社労士と契約をする意味やそのメリット、タイミングについて解説します

2023年8月25日 22:30お役立ち情報

社会保険労務士との顧問契約

事業を運営していると、そういえば何か手続きがいるんじゃないか、これってどうやるんだろうというような労務に関する悩みが出てくるものと思います。

通常そのタイミングで社会保険労務士という専門家の存在に辿り着く方が多いと思います。そして社会保険労務士への依頼の多くは顧問契約の形で行われることを知ると思うのですが、本当に顧問契約が必要かどうかを判断できず二の足を踏んでしまう方も多いのではないでしょうか。

今回はそのような方に向けて顧問契約の意味とメリット、タイミングについてお話をさせていただきます。

どんな時に顧問契約を結ぶべき?

社会保険労務士の手助けが必要になる状況としては大きく以下になると思います。

  • 入社退社(設立)のタイミングで手続きが必要な状況
  • 給与計算が必要な状況
  • 助成金などの受給を検討している状況

顧問契約は業務の発生にかかわらず毎月支払うお金となりますので、上記が発生したからといって必ずしも顧問契約を結ぶべき、という結論にはなりません。

顧問契約のメリットについて

どのような状況で顧問契約を結ぶべきかという話をする前に、顧問契約を結ぶことでどのようなメリットがあるかを説明したいと思います。

必要な手続きが明確であれば、その業務をスポットで社労士に依頼することで十分なように思います。

しかし、スポットで業務を依頼をするような場合は依頼主側が必要な手続きを把握しなければ、そもそも依頼をすることすらできず、必要な手続きを漏らしてしまうということが起きてしまう可能性が非常に高いのです。

顧問契約というのは、単に依頼したい手続きをその通りに行うという契約ではなく、中長期的に顧問先と関わり社会保険労務に関して最適なアドバイスを行うという契約になります。

つまり社労士は中長期的な関与を前提に、会社の状況や従業員の状況について目を光らせて、必要な手続き等を行うよう促してくれるというのが一般的な顧問契約であり、手続きを漏らさずに適切に行うことができるというのが顧問契約の大きなメリットなのです。

状況別の顧問契約締結のタイミング

前にお話しした状況によって顧問契約が必要なタイミングは変わってきます。各状況ごとにどのようなタイミングで依頼をするべきか説明をしていきたいと思います。

入社退社(設立)のタイミングで手続きが必要な状況

会社の設立や従業員の入社退社に関する手続きが必要な場合には、顧問契約が必要なのでしょうか。

結論から言うと、その後も多くの出入りを見込んでいるような場合を除き、顧問契約以外のスポットでの依頼や自力での手続きを検討しても良いと思います。

入退社の頻度が多くないような場合には、労務に関して必要な手続きはほとんど発生しないため、毎月固定で顧問料を払い続けることが勿体無いということもあるでしょう。

そのような場合には、手続きをスポットで受けてくれる社労士事務所を探したり、年金事務所やハローワーク・労働基準監督署に問い合わせながら手続きを行うことで顧問契約をせずに乗り切るという選択を取っても良いでしょう。

ただしその場合でも、人を採用する以上は、適切に給与計算を行う必要が発生するので、注意が必要です。

給与計算が必要な状況

さて、従業員を雇うと(法人の場合は役員のみでも)給与計算が必要になってきます。

実はこの給与計算が曲者です。

従業員を採用した時に、毎月手取り23万円、というような形で約束を交わし、その金額を渡すだけ、という処理をしている事業者さんをたまに見かけますが、実はこのケースは正しく給与計算を行えていないのです。

手取りというのは、いわゆる額面金額から、社会保険や雇用保険、住民税、所得税(源泉徴収)などを控除した上で計算されるものとなります。

そのため手取り額だけを決め、それを振り込むだけでは自分で思ってた以上の社会保険を負担してしまっていたり、本来行うべき住民税の特別徴収などができていないなどの種々の問題が発生するのです。

これらを労務に明るくない方が全て適切に行うのはなかなか難しいように思います。

役員(自分自身)のみであれば適切に計算ができていなくても大きな問題にはならないかもしれません(税理士さんは少し困るかもしれませんが・・・)が、従業員を採用した場合には適切に計算を行うために、顧問契約を検討しても良いでしょう。

ただし顧問契約以外にも給与計算代行などの選択肢もあります。サービスの範囲としては社労士と顧問契約を締結する方が安心ではありますが、手続きなどの必要性がほとんどないようであれば顧問契約でなく、給与計算代行を利用することも選択肢となると思います。

助成金などの受給を検討している状況

助成金を検討している場合は、基本的には顧問契約の締結を検討した方が無難です。

なぜなら助成金は受給のための要件が複雑かつ実際の支給決定まで時間がかかるため、手続きを行う側でもしっかりと会社の状況を把握する必要があるからです。

会社のことを知らない状況でも助成金の申請を行うことは可能ですが、必要な情報が共有できておらず不支給となってしまったり、知らない間に不正な申請をおこなってしまうというリスクがあるためです。

依頼側でも助成金の知識が一定ある場合もしくは該当の助成金について経験豊富な社労士を選定することで、助成金のスポット依頼も可能ではありますが、顧問契約なしで依頼をする場合には、会社や事業に対する知識がない社労士が申請を行うことになるため、一定のリスクを伴うことを理解する必要があるでしょう。

最後に

社会保険労務は非常に複雑な分野です。従業員を増やしていくような場合は早めに顧問を検討してきれいに整えていくことをお勧めしています。

もしも顧問契約をご検討されているようでしたら、是非お問合せください。