
SmartHRとMF給与の連携について
価格や使いやすさの観点で、労務にSmartHR、給与計算にMF給与という構成はとても優れています。
SmartHRは30名まで無料で利用できることもあり、30名までの規模の会社でシステム導入済みの会社では特にこの構成が多いのではないでしょうか。
SmartHRで集めた社員情報を、MF給与に流し込むことで従業員情報の二重管理を防ぐことができ、業務は非常にシンプルかつミスを少なくすることができます。
一方で、同期される情報を理解しておかないと思わぬ落とし穴があるため要注意です。
SmartHRとMF給与の連携項目について
連携項目の一覧
SmartHRからMF給与へは、全ての項目が自動的に同期されるわけではありません。
同期される項目は「MF給与>連携サービス一覧>労務」から確認することができます。
下のURLがリンク先です。
https://biz.moneyforward.com/support/payroll/guide/integrations/in03.html

連携項目の中で一般的に給与計算にとって重要な部分は主に以下でしょ うか
- 従業員情報・名前・性別・住所などの一般的な従業員情報
- 入社退社の日付
- 社会保険・労働保険に関する情報
- 口座に関する情報
連携されない項目に関する注意点
さて、上記項目を見てみると、給与計算において最も重要である「給与額」や「交通費」が連携されていないことがわかります。
給与や交通費のデータ形式が複雑であることが原因だと思いますが、このように最も大事な、給与については自動連携されないため入社時や給与・交通費の改定時には手動更新が必要なので留意しましょう。
交通費の変動が多い会社だと少々手間になってしまいますね。
連携時の注意点
逆に連携されることによるリスクもあります。
具体的には、社会保険などの標準報酬月額は定期的に改定されていくものですが、SmartHRを常に最新にしておかない場合、うっかり過去の標準報酬月額でMF給与を上書きしてしまい、給与計算を誤ってしまう、というリスクです。

入社時にMF給与への新規登録を行う(上記の「新規」)だけを利用するのであれば問題はないのですが、誤ってSmartHRの情報を最新にしないまま、従業員情報を上書きしてしまうと大惨事になってしまうためご注意ください。
SmartHRとMF給与のベストプラクティス
SmartHRとMF給与を連携されて人事労務業務を行う場合、両サービスを適切に更新してことが望ましいです。
SmartHRに情報を集める
まず、従業員情報の基幹となるSmartHRは社保を含めて常に最新の情報に保つことを意識するのが良いでしょう。
標準報酬月額の変更の更新などはついつい漏れてしまいがちですが、SmartHRへ記録することでMFへの反映や、他の情報とあわせて一元管理を行うことができるため、とても便利です。
また弊所では、その証憑として標準報酬月額決定通知書のpdfデータを合わせてSmartHR上へ保管することを推奨しています。
また、MF給与に連携されないため二重管理になってしまうため、SmartHRにおいて常に最新の給与額を確認できるようにしておくことも重要です。
SmartHR上のデータを分析する場合などは、データとして給与情報を持つのが望ましいですが、それが手間である場合には、雇用契約書や給与改定通知書をpdfでSmartHRに保存し、それを証憑としてMF給与を更新することも望ましいでしょう。
MF給与の更新
MF給与のフローとしては、上記SmartHRの情報が常に最新であることを前提として、給与計算前にSmartHRから最新の情報をアップデートしましょう。
これにより振込口座の変更や社保の変更、扶養の変更などに自動で対応することができます。
最後に給与額と交通費については自動で連携されないため、ベースの金額に変更がないことを確認し、MF給与を手動で更新して終了です。
最後に
SmartHRにMF給与、他さまざまな人事労務用のサービスが出てきています。
これらは単体でも便利なサービスですが、連携していくことで非常に強力な武器となります。
しかし、様々な注意点があるため、仕様を理解しないまま使っていると思わぬ落とし穴があるので注意してください。
クラウドサービスをしっかりと業務に組み込み、効率的な体制を築くためには専門的な知識が不可欠です。もしそのような体制を検討している方は、是非弊所にお問合せください。